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学校法人 浦山学園

平成254月6日          

 

平成25年度第17回富山福祉短期大学入学式

        

   ~~~前略~~~

 

本学の教育理念には、より高度な専門性を高めるためにも、人間としての素養・教養を高めることが重要であることが明記されています。素養とは、学問や技術の基礎をつくるための平素からの修養、即ち、「心がけ」「たしなみ」のことです。教養とは、学問や知識等によって養われた品格や品位のことを意味します。

素養や教養はどのようにしたら高めることが出来るのでしょうか?そして、それが結果として、より高度な専門的な学問につながるのでしょうか?これを新入生の皆さんと私達教職員で一緒に考え、作り上げていく文化が、富山福祉短期大学の教育の要にあることをお互いに認識共有し、それを実践していきたいと思っています。

 

皆さんはこれから医療・福祉・教育の分野を学びますが、今、日本社会は、どの分野においても、どの地域においてもグローバルに活動出来る人材の育成が極めて重要と言われています。お茶の水大学の藤原正彦先生は、ベストセラーになった、「国家の品格」の著書の中で、グローバルな人材には「4つの愛」が必要だと言っています。先ず、家族愛です。それから郷土愛、それから祖国愛で、この三つが固まった後で、最後に人類愛だと。そして、このうちのどれかが欠けていたら、世界に出て行っても誰も信用してくれないと明言しています。

 

既に2年経ちましたが、一昨年の311日に発生した東日本大震災は、1万8千人の死者・行方不明者を出し、いまだに31万人の人達が避難者としての生活を余儀なくされています。両親を亡くした幼い子供達、奥さんや子供達を亡くした中年の男性達など、被災者の人達が、失った家族のためにも、そして壊滅状態になってしまった郷土のためにも、必死で生き抜こうとしている姿が、世界各国から称賛されている「日本人の精神文化」だということを私達は改めて認識する必要があると感じています。

 

日本は世界の中でも物質的には相当に裕福な国になりました。しかしながら、日本人の精神文化の要であった、礼儀や日本人としての矜持・誇りを失ったと感じられる面も相当に多くなりました。これから始まる学生生活で、日本人の精神文化とは何か?それを基本に皆さんが目指そうとする専門分野とどのようにかかわらせていくかを多いに語りあって下さい。

 

私たち教職員もそれに相応しい存在になれるように、より一層頑張ります。

皆さんの入学を心より歓迎し、入学式の祝辞とします。

                          浦山哲郎

2013年4月25日 |

          平成25年3月9日                   平成24年度第44回富山情報ビジネス専門学校卒業式祝辞

 

~~~前略~~~

 

卒業生の皆さんの大半は2年前の20114月に入学しました。来週の月曜日は311東日本大震災から早2年を迎えようとしています。死者・行方不明者18千人以上、世界史上最大の20兆円以上ともいわれる被害を出しました。卒業式や入学式も行えなかった学校も数多くありました。いまだに避難者の方々が31万人以上ともいわれ、被災地の復旧が思うように進まない状況です。卒業生の皆さんも見舞金やいろんなボランティア活動をしてくれましたが、今日のこの卒業式を通して、改めて哀悼とお見舞いの意を表し、これからもいろんな機会に私達で出来る行動を起こしていきたいと思います。

 

皆さんは本校で多くの専門科目を学んできましたが、本年度後期授業から導入された「親学」の科目はそれら専門科目の基礎・基本となります。

「親学」のキーワードの一つに「主体変容」という教えがあります。「主体」とは自分の考え、感じ方、脳の中で思っていることです。「変容」とは姿や形が変わること、変えることを意味します。即ち、主体変容とは「自分自身を変えていくことでより成長を目指す」ということです。「自分自身を変える」~そんなことは口で言うほど簡単ではないと、いろんな意見もあるでしょう。

 

森信三という日本を代表する哲学者・教育者が大阪天王寺師範学校・現大阪教育大学での講義をまとめた著書の中に「教育と礼儀」の章があります。その一節には次のように書いてあります。「教育において、一番大事なことは"礼儀"ではないかと考えている。"礼儀"というものは、ちょうどうつ伏せになっている器を仰向けにするようなことだと思う。器がうつ伏せのままだと、幾ら上から水を注いでも少しも溜まらない。ところがいったん器が仰向きになると、注いだ水は一滴も漏らさず器に溜まる」という内容です。

 

皆さんはこれから社会人としていろんな人に出会ったり、いろんな壁を乗り越えていく局面が多く出てきます。どんな優れた人に接しても、如何に優れた教えを聞いても、心の器がうつ伏せのままでは心に溜まることはありません。

森信三先生は"礼儀"を実践すること、即ち、人やものに接するときは尊び敬う気持ちで接することによって、うつ伏せになっている心の器も仰向けになると教えています。これが「主体変容」ということです。

 

いろんなことが思うようにいかないと感じる時、夢や希望が持てない時、どうも人とうまくいかない時は、心の器に上向きにしてみよう、と自分に言い聞かせてみて下さい。これまで見えなかったことやこれまで気づかなかったことも感じるようになります。

 

どうか健康で、そして「主体変容」を楽しみながら積極的な人生を築かれんことを念じつつ卒業式の祝辞とします。卒業おめでとうございます。

                      浦山哲郎

 

                                  

2013年4月21日 |

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