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学校法人 浦山学園

看護系大学数は平成3年度から20年間で18倍に増加、その入学定員も558人から15,000人と20倍になっていますが、その急増に伴う質と看護師不足は大きな課題となっています。79日読売新聞の一面に『「日本で看護師」断念続々』の記事が出ていました。理由は、日本の看護師国家試験突破の難しさから、将来の展望が見出せずに就労をあきらめた人が少なくないと見られる、とのことです。EPA(経済連携協定)に基づきインドネシアとフィリピンから看護師・介護福祉士候補者の受け入れが始まったのは2008年で、これまで998人が来日し、国内の施設で働きながら勉強し、3~4年の在留期間に国家試験に合格すれば本格的に日本で就労でき、不合格の時は帰国することが条件となっています。これまでの合格者はゼロで、今年は看護師3人のみが合格したとのことです。今回中途帰国したのは33人ですが、母国の看護師資格をもっている人が23人と、中途帰国した人の7割はもともと看護師であり、グローバル社会の中での日本において、その人たちが断念せざるをえなかったことに複雑な思いをもたざるをえません。日本人でさえ難解な専門用語を平易な言葉に言い換える、或は母国語・英語での試験実施など、なんらかの見直し方法を国家試験に反映させるなどを政府・厚労省などで検討をし始めたとのことですが、一日も早い改善に向けて、教育機関である私達も運動すべきであると感じています。

 

日本で学んでいる留学生は12万人強(2009年)ですが、先進諸外国の外国人留学生数を見てみると、アメリカ合衆国が約56万人、英国が約36万人、ドイツが約25万人、フランスが約27万人(いづれも2006年)と、日本を大幅に上回っています。このようなことからも文部科学省などは、留学生数のさらなる拡大と支援のために留学生30万人計画を打ち出し、2020年までに今の倍以上の30万人を受け入れることを目標としていますが、受入れ体制の整備とともに、卒業・修了後の就職支援等につながる国家試験のあり方も検討することが望ましいと感じています。

 

日本では1949年から1951年まで、ガリオア・プログラム(GARIOA/Government Aid and Relief In Occupied Areas) で約1,000名の日本人が米国へ留学しました。これは今後戦争を二度と起こさないためにも戦争相手国をよく見てもらい、自国の繁栄に貢献して欲しいという願いから、1949年米国に設立されました。現在、「フルブライト」として運営されていますが、基本的運営資金は両国政府で折半されており、これら政府資金に加え、日本人フルブライト同窓生により1986年に設立された日米教育交流振興財団(フルブライト記念財団)からの民間資金援助も受け、合計で年間にそれぞれ約5060名の米国人と日本人の人物交流を実施しています。また、フルブライター(Fulbrighter)と呼ばれる同窓生は日本人が約6,200名、米国人が約2,300名でその中の多くは今日、教育、行政、法曹、ビジネス、マスコミ等さまざまな分野で活躍しているそうです。

 

日本私立看護系大学協会や日本介護福祉士養成協会には多くの会員校がいますが、厚生労働省や文部科学省とも留学生の国家試験のあり方を検討していけるように働きかけるようにしていきたいと思います。

 

                          浦山哲郎

2010年7月31日 |

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