昇格・異動・そして新採用の皆さんに辞令をお渡しし、22年度が今日から新体制・新陣容で始まります。どうぞよろしく御願い致します。
辞令交付をする意義は、日本や世界の未来に向けて、学園の教育理念である、「より良き社会の形成に自ら貢献できる人材育成」を実践躬行する教職員組織を確認することにあります。
昨年の9月2日には、この場所で、中期経営計画のキックオフを全教職員で行いました。
財務状況なども含み、現状を説明し、創立45周年を迎える本年の2010年度(22年度)そして創立50周年を迎える2015年度に向けて、全教職員一丸となって改善に取り組むことを皆で誓い合いました。
~中略~
申しあげるまでもなく、教育機関は、教育とマネジメントが両輪です。
「教育とマネジメント」を常にバランスよく運営していくことは、簡単なことではありませんが、このバランス度合いが第三者評価においても問われていることは、皆さんも十分承知していることだろうと思います。
最近お世話になっている人から、理事長「もしドラ」読みましたか?って聞かれました。最近のベストセラーなんだそうです。全く知らなかったので早速購入し、読んでみました。長い題名で、『もし高校野球の女子マネジャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』という本です。ドラッカーは、皆さんもご承知の通り経営学を世界に紹介、確立させた大変著名な学者で、その著書の「マネージメント」は経営のバイブルともされている本ですが、最初は高校野球の女子マネージャーとのつながりがまったく見えてこない感じでした。
しかし、ページを重ねていくうちに、この高校野球の女子マネージャーの立場と教育機関の理事長をはじめ教職員という立場が全く同じであることに気づき始めました。
物語は、あまり強くない公立高校の野球部の女子マネージャーになった主人公みなみ(ちゃん)が、野球部を甲子園に行かせる物語ですが、そう決めたはいいものの、どうしたらそれが実現できるかを模索していく中で、ドラッカーの経営書「マネージメント」に出会います。はじめは本の難しさに戸惑うのですが、野球部を強くするのにドラッカーが役立つことに気づきます。そして野球部の仲間たちが、ドラッカーの教えをもとに力を合わせて甲子園を目指す物語です。
主人公のみなみちゃんは、野球とは無関係の組織経営について書かれた、ドラッカーの教えが高校野球とどのような関係があるのか、最初は全く理解が出来ませんでした。
やがて、みなみちゃんは、野球部のマネージメントに取り組み、マーケティングに取り組み、そしてイノベーション(革新・新機軸)に取り組みながら、結果、劇的な甲子園出場を果たすストーリーです。
私はこの本を読んでいて、ものすごい反省の思いをいただいたのは、自分では意識していた、そしてやってきたつもりの基本的なことが、実は出来ていなっかったのではないかとたということです;
ひとつは、ドラッカーは「マネージャーとして必要な資質は真摯(まじめでひたむきであること)」であること。そして、ドラッカーのいう「真摯(まじめでひたむきであること)」とは、「成果を出すことにおいて責任をもつ」ことと定義していることです。
これまで、私は学校経営に伴い、皆さんと話し合いながら、いろんな重点目標を決めてきました。しかし、達成できてないことが相当あります。やってないことが相当あります。
「それなりに頑張ったからいいじゃないか」はドラッカーのいう「真摯さ」が欠けていたと、反省をしています。今年度から、改めて、「成果をだすことに責任を持つ」経営を目指します。
また、ひとつは、ドラッカーは「組織は、顧客の創造をやらないと存続出来ない」と明言しています。そして、ドラッカーは、そのためにも「顧客は誰か」を明確に設定し、「顧客の役に立つこと」が重要だといっています。
この学園の顧客は入学対象者である高校生・家族・高校・在学生・高校・採用してくれる企業や施設などと考えられますが、学園として明確に設定し共有できていません。
明確に設定できていないので、顧客の創造がどこまで出来ているのか確認できていない部分があるし、どれほど顧客の役に立っているのか、確実なデータに基づいたものもありません。これでは、教育理念があっても、コアサイクルがあっても、理事長としてどのような学園にしていきたいのかが、皆さんに十分伝わっていなくても仕方がなかった、と感じています。
高校野球の女子マネージャーのみなみちゃんにとって、マネージャーの資質は真摯であること、真摯さとは成果を出すこと、顧客の創造無しには企業存続はありえないこと、高校野球の顧客とは誰か、その顧客にどうすれば役に立つということになるのか、などは考えもつかないことだっただろう思います。しかし、ドラッカーの教えを素直に学び、実行するという、知行合一を基本に実践躬行したことにより、組織とは何か、ということや、またそれを円滑に運営するにはどうすればいいかということを、みなみちゃんは学びました。
そればかりか、それを超える人間への深い洞察や真理といっては大袈裟かも知れないが、人間とは、社会とは、、について大事な事柄もみなみちゃんは学びました。
私も心を揺さぶられ、感動もしました。
皆さんも是非読んでみて下さい。
それでは今年一年よろしく御願いします。