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学校法人 浦山学園

元日の気分も昨日のように感じますが、2010年も早一ヶ月が過ぎようとしています。

 

私の机にはまだ十分整理できていない元日の新聞の切抜きが沢山ありますが、各紙の元日の社説は大変気になる内容でした。『「国難」への気構えを共有したい』、『「国思うこころ」が難局を動かす』、『「ニッポン漂流」を回避しよう』、『時代切り開く気概もとう』などなど「日本」を憂う観点が極めて多い社説が目立ちました。日経は「団塊の世代の子や孫は、親や祖父母より幸福な人生を送れるだろうか。われわれ現世代は子や孫の世代を犠牲にして、繁栄や平和をたのしんではいないだろうか」。産経は「社会が他者依存や甘えの方向に人心を駆り立てていないか。自立、自助、忍耐心を育てないで、どうして日本の再生が叶うのか」など、問われた内容に触れた時は思わず唸ってしまいます。

 

今年の各紙の社説は、「国を憂う」論点が多い感じですが、戦後60年間行われてきた「教育基本法」には、残念ながら、そのような「教育目的や目標」の観点がどこにも明記されていません。平成18年、安倍内閣でようやく「教育基本法」の改正が60年ぶりに叶い、「国家・社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成」という観点が教育の目的に掲げられ、教育目標として「我が国と郷土を愛する~~~の平和と発展に寄与する態度を養うこと」が明記されました。

 

 どの組織や企業において、理念や目的・目標が明確にあってもその具現化が困難であるのに、それらが無い国において、「国を思うこころ」「国を愛するこころ」が醸成されるは簡単には出来ないと感じます。

 

古今東西において社会は「倫理=人と人との秩序関係」が基本とされてきました。『倫理の「倫」と言う字は、「にんべん」に「侖=リン」と書くが、これは人間が集って「輪」になり「和」をつくるという意味だ。集った人間間の道理や根本原理を「倫理」という。「倫理」をルール、マナー、エチケットとして書き出したものを「道徳」といい、それを強制すると「法律」になる』と日下公人(くさか・きみんど)氏は著書で書いています。

 新渡戸稲造著の『武士道』の倫理観(精神)は、「慈愛・正義・道理・思いやり・誠」が基本となっています。

 儒教で人が実行すべき倫理観は、「礼・智・信・義・勇」となっており、これは『五常(ごじょう)』と呼ばれています。

 また、西洋の倫理観には『Cardinal Virtues(カーディナル バーチュー)』として、Prudence(思慮・分別)・Temperance(自制・節制)・Justice(正義・公正)・Fortitude(剛毅・辛抱)・Faith(信頼・信念)・Charity(仁愛・おもいやり)・ Hope(希望)の7つの基本徳目があります。

 

 このように見ていくと、古今東西何れの倫理観を見ても、偶然とは思えないほどの共通の倫理観があることに気がつきます。それは、「ありがとう」という「感謝のこころ」が基本だと感じます。「感謝のこころ」は、ともに生きる他者への思いやりにつながり、やがて夢や希望にもつながっていきます。

 

 教育の原点である「感謝のこころ」を持つことは、この学園の目指す人材育成の基本であると考えています。

 

                          浦山哲郎

2010年2月 1日 |

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