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学校法人 浦山学園

今年は、海の向こう側で"Yes,We can"で一月に就任したオバマ大統領で始まり、海のこちら側での"政権交代"で9月に就任した鳩山総理大臣で、世界のパラダイムが大きく変革した一年でした。深刻化している雇用問題、成熟化、高齢化、教育問題などなど、日本が直面している課題・問題は枚挙にいとまが無いほどです。このような状態を敢えて一言で言い表すと"艱難辛苦の体験"という言葉を思い出します。"艱難辛苦"、どの文字を見ても"大変そう"な意味合いであることは分かります。

「名を成すは窮苦の日にあり、事を敗るは多く得意の時に因す」という古人の言葉がありますが、それは「成功の種は苦難のときにまかれ、失敗の種は得意のときにまかれる」ということを意味するとの事です。因みに英語で見てみると一例として次のように紹介されていました;「Adversity makes a man wise  艱難汝を珠にす; 人間は、苦労や困難を乗り越えていくことによって、立派な人間になる」。"艱難辛苦の体験"とはまさに今の私達に与えられた大事な教訓であることを改めて感じています。

 

今年読んだ本の中で、そんな「艱難辛苦の体験」を描いた2冊の本がとても印象に残っています。ひとつは、泉三郎著「堂々たる日本人、知られざる岩倉使節」、もう一冊は、司馬遼太郎著「坂の上の雲」です。

岩倉具視使節団は廃藩置県が終わった明治4年に大挙欧米見学に発ちます。しかし、国家の大手術ともいうべき廃藩置県の直後に、使節団は632日間という途方もない長いものとなりました。まだ混沌としていた明治初期の留守の間に、反対派などの反乱や地位の確保などを心配しない人は少ないのではないでしょうか? しかしながら、岩倉具視使節団は、いかにして近代化を進め「明治という国家」を作っていくかという、その志の高さ、凛呼たる倫理感、深い教養と礼節、そして歴史的な大変化に敢然として対処した勇気、それらに人々は感動を禁じえなかったのだと、著者はその武士道精神と颯爽とした日本人の姿を伝えたいと文中で語っています。

またNHK大河ドラマで放映中の「坂の上の雲」は激動の明治時代に果敢に生きた人たちを鋭く描写しており、大変勇気づけられます。ドラマは日清戦争に勝利した日本がこれから日露戦争に突入していきます。ドラマでは秋山兄弟が主人公となっているのでこの兄弟の偉大さは徐々に紹介されると思いますが、西田敏行演じる高橋是清の武士道精神に大変感激しました。日清戦争における日本の勝利は、列強の意外とするところでしたが、日露戦争開戦にあたり、日本が最も苦慮したのが資金不足でした。資金も無く発展途上の日本がてっとり早く資金を調達するため公債を外国に買ってもらうことでした。その交渉役という大役を担ったのは高橋是清でした。高橋は仙台藩の足軽の子として生まれ、アメリカに留学したがエリートの生活とは程遠く、留学中に奴隷として売られるなど辛酸をなめたものでした。さらに帰国後も詐欺事件などに巻き込まれて資産を失うなどした苦労人だけに、この大役がこなせたとも言えます。日露開戦前、世界の人々は、小国の日本が大国ロシアに勝てる見込みはないとみており、日本の公債に全く興味を示しませんでした。高橋の戦略は、あらゆる人脈を駆使して外国人たちに、日本の文化や日本の武士道などについて熱弁をふるい、「日本」という国の魅力を知ってもらうことでした。そのような地道な努力が認められ、ロンドン市場での多額の公債発行を取り付けたり、アメリカの銀行家の協力を得ることに成功したのです。大国ロシアに勝利したことは、明治の人たちの武士道精神によるところが多大であり、日清戦争・日露戦争の勝利は列強の意外とするところでした。

 

司馬遼太郎さんは「明治という国家」の中で、当時のリーダーは「透きとおった、格調の高い精神で支えられたリアリズム」を持っていたと語っています。

また、泉三郎さんは、上に立つ者は、国家であれ地方であれ、会社であれ団体であれ、そして大学などの教師も含めていくつかの条件を備えなければならないと述べています;

一つは、使命感。明快なる問題意識、目的、青写真、ビジョン

二つには、トータルにものを見るバランス感覚

三つには、したたかな現状認識、リアリズム

 

お二人の共通点は、サムライ的精神=リーダーたるものの精神、ということだろうと感じます。 平成21年はその精神を学ぶ意味でも「艱難辛苦の体験」を与えていただいた重要な年でした。

2009年12月30日 |

=年末年始休暇に伴う校舎閉館のお知らせ=

浦山学園小杉キャンパス(富山福祉短期大学・富山情報ビジネス専門学校)では、下記の期間を年末年始休暇とし、校舎を閉館させていただきますのでお知らせいたします。

<閉館期間>

●平成21年12月29日(火)~平成22年1月4日(月)

尚、上記期間にいただきましたお問合せ(FAX、メール等)に関しましては、平成22年1月5日(火)以降、順次お返事させていただきますのでご了承くださいませ。

よろしくお願いいたします。

 

2009年12月24日 |

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