Home >

学校法人 浦山学園

レストランなどで食事をしている時にほとんど会話のない家族連れを見かけることが多くなりました。お父さんは新聞、お母さんは雑誌そして子ども達は携帯に熱中し、メニューを注文するとき以外の会話が聞こえてきません。都市化、少子化、物質的な豊かさなど社会が成熟化する中で親子の関係は大きく変化しているようです。家庭や地域の教育力の低下や、個人が何かに意欲的に取り組んだりすることも以前より難しくなりつつあることが指摘されるようになっています。親としては、「子どもには、こうあって欲しい」など、子どもに求める理想の姿のようなものがあります。しかし、いくら理想を求めても、親のほうが子どもの手本になっていなければ、子どもはそうはなってくれません。例えば、子どもに「感謝の気持ちをもて」といっても、親がそういう気持ちをもっていないと、口先だけでは伝わらないでしょう。言い古された言葉に、「子どもは親のいうことの3割までしか身につけないが、親の行うことはその7割以上を身につけてしまう-子どもは親の背中を見て育つ」とありますが、その通りだと感じます。子育てにあたって、「親自体が変わり、成長すること=主体変容」が肝心だと考えます。子どもにいろんな問題があるからといって、必ずしも子どもが悪いばかりではなく、親のほうに問題があるケースが多くなっています。「子どもを育てる」ということは、親の都合に合わせて子どもを変えることではないのでしょう。子どもの心や発達に合わせて親がどのようにかかわるかということが、子どもの心をはぐくみ、子どもの将来の幸せにつながることになると思います。変わるべきは親ということでしょうか。

稲盛和夫氏の著書「生き方」に、「人生をよりよく生き、幸福という果実を得るには、考え方×熱意×能力が重要。人生や仕事の成果は、これら三つの要素の"掛け算"によって得られるものであり、けっして"足し算"ではない。特に、"考え方"が三つの要素のなかではもっとも大事で、この"考え方"次第で人生は決まってしまうといっても過言ではない。なぜなら、"考え方"にはマイナスポイントがある。つまり、プラス100点からマイナス100点までと点数の幅が広いので、"考え方"がマイナスなら能力と熱意に恵まれながらもマイナスにしかならない」とあります。

「親としての自覚をもち、"考え方"を改める。"考え方"が変われば子育ての行動が変わる。行動が変われば習慣が変わり、習慣が変わることにより人格が変わる。人格が変われば運命が変わり、運命が変わることにより人生が変わる」という"考え方"を実践躬行することが「主体変容」になるのだろうと思います。

60年ぶりに改正された「教育基本法」の第10条に「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、生活のために必要な習慣を身につけさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るよう努めるものとする」と「家庭教育」を明言しています。レストランなどのような場所は、"考え方"を親子で話し合うには格好の場所だと思うのは私だけでしょうか。

学園において教職員は親の立場にあります。私達教職員の「主体変容」を実践躬行することが今後の教育活動の要にあると感じるこの頃です。

2008年10月20日 |

ページトップへ