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理事長の部屋 ~NO.49 『規律・しつけ』教育が何故教育機関に必要か~

「大学全入時代!専門学校の競争力とは?」をテーマに3月3日・4日に東京でフォーラムが開かれま す。本校、富山情報ビジネス専門学校も4日に発表する予定ですが、主催者側の事務局より参加者が相当数になる連絡があったそうです。本校の発表のテーマ は、『5S活動を中心とした「規律・しつけ」教育における学生活動評価基準の構築』で、文部省委託事業として、19年度に取り組んできた事業です。ここで の5Sとは、整理・整頓・清掃・清潔・しつけをいいますが、専門教育を要とする専門学校で、「規律・しつけ」を教育活動に取り組むことについては賛否両輪 の意見があっただけに、参加者が相当数になったことは大変嬉しく感じています。

「規律・しつけ」教育が何故教育機関に必要なのでしょうか? それは、法制度と現象面の二つから考える必要があると思います。ひとつには、平成18年 12月に60年ぶりに改正された教育基本法です。教育の目標には、「幅広い知識と教養を身につけ、真理を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を養うこと」「~創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んじる態度を養うこと」と明記されました。中央教育審議会で、徳育教育の教科化を先送りにしましたが、吉本圭一氏(九州大学大学院教授)は「職業教育は特定の職業に向けての知識や技術の教育と同時に職業生活一般に通じる社会化=しつけへの対応が必要」 と述べています。ひとつには、専門学校生の最近の現象面(傾向)です。目的意識の欠如(無気力)、精神的障害(心の病)のある学生の増加、学力低下で資格 取得が困難、モラル低下、コミュニケーション能力不足、保護者の意識の多様化など、枚挙に暇がありませんが、言い換えれば、自己中心的で我慢が出来ない傾向にあり、他者とともに生きる力が弱くなっている若者の増加に なっています。これは、その温度差はあるとしても、短期大学や4年生大学にもいえることと思います。雑誌のプレジデントファミリー(平成18年7月号プレ ジデント社発行)に、『お茶の水女子大教授が説く「しつけの常識」』特集号で、内田伸子教授は「知性とモラルがアンバランスなのではないか」「しつけは10歳を過ぎても15歳を過ぎても遅すぎることはありません。人間の成長は常に可逆的です、いつでも成長できます」と記述しています。

何故若者はこうなってしまったのだろうと考えますが、 若者の問題は親や私たち教職員そして周りの大人の問題であると、真摯に振り返る必要があると思っています

知識として教科を教えるだけでも、実に容易ならざる準備と研究を要しますが、意欲やコミュニケーション能力を向上させることは、更に果てしない道であることに思いしらしめられます。なぜなら、それは教育の眼目である相手の魂に火をつけて、豊かな人間性の陶冶を導くことになるからです

元ソニー最高相談役・元幼児教育開発協会理事長の井深大氏の著書、「戦後教育が置き忘れたあと半分の教育」に『結局、これまでの日本の教育は、知識教育という"半分の教育"しか追及してこず、心の教育あるいは人間性教育としての"人間づくり"という"あと半分の教育"を置き忘れてきたのです。"教育は何なのか"という教育本来の目的を真剣に問い、さらにそこから導き出されるビジョンに向って前進していくためには、何よりもこの"あと半分の教育"に目を向けていく必要がある』 と述べています。また「奇跡と呼ばれた学校」の著者、京都市立堀川高校の荒瀬克己校長は『改革の成果というものは、多くは見えるもので測定されます。見え るものを軽んじてはいけませんが、見えないものも同様に或いはそれ以上に大事です。見えないものがあればこそ見えるものにも意味があります。人とかかわり社会で生きていく力を育成するためには、見える力(見えやすい力)と見えない力(見えにくい力)の2つの力が必要です』と述べています。見える、あるいは見えやすい力とは、数値化できる試験などです。見えない、あるいは見えにくい力とは、日本人の行動規範(日本精神)となっている、公の心・秩序・忍耐・勇気・いさぎよさ・惻隠の情・実践躬行などの精神や行動です

企業も「見えにくい力」を持っている人材をより一層求めるようになってきました。「教職員が変われば学生も変わる」は学園の合言葉ですが、今回の『5S活動を中心とした「規律・しつけ」教育における学生活動評価基準の構築』が、企業が求める人材になれるような教育プログラムを構築する要となるように、教職員一丸となって更に努力してまいります。

2008年4月 3日 | 理事長の部屋 |

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