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理事長の部屋

理事長の部屋 ~No.40 絵本の魅力

 8月12日と13日の二日間にわたり『絵本ランド2006』が富山県内の主要会場で開催されました。『絵本を通して親子の絆を深めよう』と地元の富山新 聞が絵本フォーラムや読み聞かせ、絵本作家のトーク、絵本即売会などの多彩な催しに加え、学園の富山情報ビジネス専門学校と富山福祉短期大学の学生達(保 育士や幼稚園教諭を目指す学科)が人形劇やパネルシアターそして創作ミュージカルなどを上演しました。学生達は通常の授業や就職活動などの間隙をぬって、 2ヶ月足らずでそれぞれの上演に最善を尽くしてくれました。当日は多くの子ども達や家族の人たちで会場が満席で、子ども達は学生達が演じるいろんなシーン に楽しみ、感動していたようでした。台本や小道具そして衣装など、全て学生達の手作りで、気持ちをひとつにして取り組んでくれたことに感激をしました(先 生の指導は当然あったようですが、あくまでも学生主導で準備されるように指導されたことにも感激しました)。

 絵本フォーラムは『絵本がはぐくむ豊かな心』をテーマに、中尾哲雄氏富山経済同友会代表幹事がコーディネーターとなり、知事や市長や教育委員そして直木 賞作家の志茂田景樹氏がパネリストとなり意見が交換されました。ズックに黄色い靴下、ピンクの半ズボン、光り物がいっぱい付いたブルーのTシャツそして髪 はグリーンと茶色の志茂田氏が登場された時は、自然と会場に特殊なざわめきがおきました。『志茂田さんがいなければ絵本フォーラムとしては物々しい方々の 出演ですね』とユーモラスな中尾氏の口調で始まったフォーラムですが、気が付けば、すっかり絵本の持つ魅力の中に引き込まれていた自分であることを中盤ぐ らいから感じ始めていました。フォーラムの後半で志茂田さんが自作の『象の子どもが見た夢』を、スクリーンに絵を映しながら読み聞かせをしてくれました。 『みわたすかぎりの そうげんで ぞうのおかあさんと こどもがくらして おりました。こどもは からだは とても おおきいのに あまえんぼうで なき むしです。「おとうさん なぜ いなくなっちゃったんだ よー。プルルー プルルー」 くもひとつ ない ほしぞらの よるに こどもは おとうさんを  こいしがって なきました。おかあさんは まだいっさいだった こどもを かばいながら いのちがけで この そうげんまで にげて きました。それから  五ねんが たっています。「このこに ゆうきと ゆめを もたせて あげなければ・・・」と おかあさんは なきつづける こどもを みながら おもい ました。じぶんが いなくなった あとの ことを かんがえると とても しんぱいです。おおきな ゆうきが なければ らいおんや ひょうに おそわれ て いのちを おとすかも しれません。おおきな ゆめを もたなければ いきる きぼうを うしなって ひとりで くらしていく ちえが つかないかも  しれません。・・・・・・・・・・・・・・・』志茂田さんは読むことにも飾らず(服装と同じに)、おかあさん象がこどもの象に生きる勇気と知恵を授け、 死んで星となって見守る感動的な話を読み聞かせてくれました。いろんな思いが、いろんな記憶が私の脳裏を横切っていきました。スクリーンいっぱいに広がる 象の親子の様子、そして志茂田さんが読んでくれる象の親子の様子は、私の錆びつきかけている(錆びてしまっているかも)五感をフルに働かせてくれました。 お父さん像をなくしたわが子に、勇気と夢を与えながら育てるおかあさん象、そして親の深い愛情を受けながら素直に成長していく小象。『命の尊さ』『生きる ことの素晴らしさ』を感じざるを得ない僅か10分足らずでしたが、涙が止まりませんでした。パネリストの方々も会場の人たちも、それぞれの涙があった感じ でした。

  志茂田さんは、『絵本には感受性に直接働きかける力があり、読み聞かせで命の尊さと生きる素晴らしさを伝えることが出来る。読み聞かせをすると子供も 大人もみんな引き込まれると同時に、私自身も毎回心が洗われる』と絵本の持つ魅力を話されました。パネリストの方々からもいろんなコメントがあり、『最小 限に絞り込まれた絵と文は想像力と創造力を育て、観察力や規律、傾聴する力も育む』ということを異口同音に話されていました。

  『物質的な豊かさを得、誇りや礼節を失った日本』と言われているように、忌まわしい事件や好ましくない局面がたくさんあり、それらが社会化している状 況にあることは、残念ながら否めないと思います。教育は出来てないことを出来るようにするための手段だと思い、日々の業務を展開しているつもりです。教育 活動がより効果的に展開されるためにも家庭教育の充実が必要だと感じています。学園が開催している『親学フォーラム』もその観点から始めました(今年度は 第5回となり10月7日土曜日に開催予定)。それぞれの地域において、絵本の持つ魅力を学園内外により積極的に広めるプログラムを考え、家庭・学校・地域 がより一層連携できるようにしたいと感じた『絵本ランド2006』でした。
2006年8月21日 | 理事長の部屋 |

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