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学校法人 浦山学園

これから皆さんはぞれぞれの分野で、国 家資格や検定などに挑戦しながら、就職活動をどのようにしていこうか、いろんな期待に胸膨らませていると思います。同時に、これをやろうとする時に予想外 にいろんな障害物も出てきます。その観点でみると、今日は、皆さんと我々は障害物レースのスタートラインについている状態です。

どんな障害物があるんでしょうか?
いろんな障害物の中でも、かなり厄介なのは、「思い込み」とか「間違った習慣」という障害物です。
どうすれば乗り越えるのでしょうか?

安藤忠雄という、世界的に有名な建築家がいます。安藤さんは大学は出ていませんが 独学で建築を学び、あの東京大学の大学院の教授になりました。勿論、大学を出ていないで東京大学の教授になった人は安藤さんが始めです。安藤さんの事務所 には東大の卒業生が10数名いるそうです。その卒業生達や東大の授業に出て共通に感じることは、「最近の学生達が社会に無関心」だということだそうです。 自分の仕事に対する愛情から、国に対する愛情とか、地球環境に対する愛情、世界観、とかまでに発展していくはずなのに、自己完結型や自分の範ちゅうだけに どんどん埋没していってることは大変残念だとおっしゃっています。

ヘレン・ケラー女史のことは聞いたことがあると思います。2歳のときに熱病で視覚 も聴覚も奪われたが、いろんなものに感心を持ち、あのハーバード大学の付属大学に入学、そして卒業後、世界中を訪れ障害者の福祉を訴えました。ヘレン・ケ ラー女史は、こんな言葉を残しています。「此の世に多くの病気はあるけど、人やモノに無関心なことほど恐ろしい病気は無い」と言い残しました。

「間違った思い込み」とか「間違った習慣」は誰でももっていますが、例えば、「4 +1は、いくつか?」ではなく「答えが5になる式にはどんなものがあるか?」という具合に考えたり、行動したりすれば、人はどのように変化するでしょう。 これからの2年ないし3年間は短い期間ですが、より成長する自分を作りだす期間としては十分な期間です。より多くの知識、より高度な知識を積極的に吸収 し、実践しようとすれば必ずや新しい自分が見えてくる筈です。そして今以上に、いろんな人やいろんなモノに感心を持つようになる筈です。全ては皆さんの気 持ち・意識の持ちようで、どのようにも成長出来ると思います。そんな先輩達を私たちはこれまでもたくさんみて来ました。

これからの2年あるいは3年間の学生生活を想い出多い学生生活にして下さい。
皆さんがスタートする障害物レースを我々は一生懸命に応援します。
2006年5月 1日 |

さて、これからそれぞれの分野に就職さ れ、社会人として活躍していくわけですが、仕事や家庭生活をとおして何が真理なのか、何が正しいのかということを追求することが多々あると思います。例え ば、生きることと暮らすことはどのように違うかと聞かれたら、皆さんはどのように応えるでしょう。愛することと好きということはどのように違うかと聞かれ たら、皆さんはどのように応えるでしょう。社会人となるとこんなことが日常茶飯事に出てきます。
仕事と一口に言いますが、仕事とは何と聞かれたら、皆さんはどのように応えるでしょう。

1360年前に建てた木造建築があります。勿論木造建築では世界一古い建物です が。奈良にある法隆寺です。その法隆寺の改修・復興にあたった棟梁西岡常吉・常一は、宮大工としては日本で始めての文化功労者に選ばれた人、仕事とは「仕 える事」、言い換えると奉公するということで、儲けとは違うと言っている。曲がっているような木を組む前に人を組むことが大事。木はそのまんまだが人はそ うではない時がある、と言っています。

今日本の国は大事な局面に立っています。それは、日本人としての誇りを失いつつあ るということです。誇りとは何か。例えば、それは正義を重んじるとか勇気と覚悟と我慢を一番の美意識と考えるという、主観的な価値基準や判断基準をいいま す。ところが残念ながら最近は、その基準が主観的なものから客観的な物量に変わりつつあります。ライブドアの問題にしてもその他多くの社会問題の根本は、 その価値基準や判断基準は「損か得かの拝金主義」や「欲望のためなら人をも欺く」ということの結果であり、日本人の誇りである「正しいか正しくないか」 「豊かな精神論や道徳論」「礼儀の文化」などの伝統を重んじる日本人の美意識や魂が失われつつあるということです。

皆さんにも是非読んで欲しい本があります。藤原正彦というお茶の水大学の数学の先生が書いた「国家の品格」という本です。こんなことが書いてあります。
今の日本人には、「情緒」と「形」を教育することが必要である。
「情緒」とは、喜怒哀楽のような誰にでも生まれつき持っているものではなく、これは世界中の誰にでも生まれつきありますが、ここで言う情緒とは「懐かし さ、思いやり、とかもののあわれ」といった、これは教育や学習によって培われるものである。また、「形」とは、武士道精神から来る行動規範で、正義を貫 く・卑怯なことはしない・名誉を大事にする・礼儀を重んじるような行動に表していくことが大事であるということです。

これから日々暖かくなります。道端の春泥(雪解けのぬかるみ)からいろんな雑草や 花が顔を出し始めます。また、雪の重みなどで折れた木の枝やゴミなどがたくさん出てきています。草花などが顔を出そうとしている時は、どうぞ、それらを踏 みつけないように歩いてあげてください。そしてその草花たちの生きる力を一緒に感じてあげてください。折れた木の枝やゴミなどが散乱していたらそっと優し く片付けてあげてください。そんな身の回りの小さなことに感心を持ちながら生きる。そんな特別でもない日々の過ごし方が、皆さんひとりひとりに美しい「情 緒」と「形」を身につけさせてくれます。そしてそのような品格ある個人や家庭そして地域を保つことが日本人として生まれた真の意味であることを感じる日を 楽しみにしながら、この富山福祉短期大学で学んだこと、感じたことを、社会人としての規律ある生活として過ごしてください。
どうぞ、これからもより一層健康で活躍されることを祈っています。
卒業おめでとうございました。
2006年5月 1日 |

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