過日、大勲位、中曽根康弘元総理大臣の
お話をお伺いする機会がありました。86歳を微塵も感じさせないその存在感は『偉大』に感じられました。『指導者には、目測力・結合力・説得力が重要だと
思う。今の若い議員の皆さんは非常に事務的優等生が多いが、くそ度胸やカリスマ性とかやんちゃ的な優等生がいない。これでは、改革的な行動を起こせな
い』。『僕は前から歴史観を持てと言っています。今、これだけ世の中が乱れて、共産主義もだめだ、アメリカの資本主義もだめだ、では何だと聞いたら、当て
になるのは歴史ですよ。日本や世界の歴史をよく見て、その中から自分で感得したものが本物なんでね、そういう歴史観を持つことです。もう一つは宗教性を持
つことですよ。やはり、目に見えないものを畏(おそ)れる、そういう謙虚さ、宗教性というものを持つと、カリスマ性とか奥ゆかしさが出てきますね。そうい
うものを持った者が国民に尊敬されるので、決して優等生が尊敬されるわけではありません。その辺を考えて、勉強してもらいたい』。約50分間。大勲位の話
は『魂と精神と気合が一体』だと感じました。
大勲位の考えや話は新聞・雑誌やテレビなどで良く見聞しますが、最近の著書、『命
の限り蝉しぐれ』の中で教育に関して次のように書いてあります。『昭和22年、初めて代議士になった年に、教育基本法を見て、何だ、これは、と思いまし
た。まず公の概念がない。日本の伝統や文化、歴史がまったく考慮されてない。その上、権利とか個性とか人格、或いは自由とか民主主義とかは豊富に書いてあ
るが、義務とか責任、国の歴史と伝統、文化、さらには家庭などに対する配慮はほとんどない。だから私は、この教育基本法は蒸留水であると言っています。日
本の水の味がしない。ブラジルでもメキシコでもどこへ持っていっても適用できる。無国籍だ。だからこれを日本国の教育基本法に変えなければならない』。
また、最近のテレビではこんな発言がありました。『いま、学習指導要領が新しく
なっていますが、生徒が教わることを充実させることは大事だが、先生達が教える方法を充実させる学習指導要領の方がより重要だ。もっと精神的教育を取り組
み、実践することが望ましい。特に、小学校では、家庭のあり方を教える。中学では、地域や国のために何が出来るかを教える。高校では、志を。そして、大学
などでは、使命感を教育する』。