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学校法人 浦山学園

『職業教育と規律と躾』

平成14年度の若年者(15~24歳)の失業率はほぼ10%となっており(総務省)、15年度の国民白書では、13年度のフリ-ター(15~34歳で、パート・アルバイトや働く意志のある無職者)も417万人と10年余りで2倍以上に膨らんだと報告しています。

このような若年者の就職率低下は、社会保障制度をはじめ国の根幹を揺るがしかねない事態を引き起こしつつあるということ、また、人が職業によって自己実現を図ることについての教育を、おろそかにしてきたことも否めないと思います。

そのような状況を憂慮してか、厚生労働省が『若年層の就職能力に関する実態調査』で『5つの能力があれば、事務系・営業系の仕事に採用される可能性が高まる』という発表をしました。(平成16年1月29日)

コミュニケーション能力・職業人意識・基礎学力・資格取得そしてビジネスマナーの5項目を『若年者就職基礎能力』と定義し、『必要な能力の目安を示すなど若者の能力を公的に証明出来る仕組み作り』始めるとのことです。若者にとって到達すべき目標が具体的になるほか、企業は、応募者の能力を客観的に把握しやすくなるなどの利点があるとのことです。

中央の官庁がその5項目を『公的に証明出来る仕組み作りを始める』ということに関しては、私見として、いささか疑 問を感じますが、5項目の能力は学生達にとって重要であることは無論ですが、同様に私達のような教育機関や日本のどの分野の組織体にとってもますます重要 になってきています。今日、(日本を代表するような)企業においても、ビジネスマナーや資格取得などをはじめとして前述の5項目を社内研修で実施するよう になってきました。

なぜなら、い ろんなビジネス社会において、顧客ニーズへの対応能力向上、そして自分たちの付加価値を如何に向上させるかが勝ち組の条件となってきており、5項目はその 条件を向上させるためにも必須事項になっています。言い換えれば、人の給与額・会社や組織の報酬額(収入)は、提供できたサービスの質と量で決まる時代に なってきたともいえす。

中央教育審議会答申『新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画のあり方』(平成15年3月20日)で も指摘されているとおり、『職業は、一人一人の人生において重要な位置をしめており、人は働くことの喜びを通じて生きがいを感じ、社会とのつながりを実感 することができる。しかし、経済構造が変化する中で、価値観の多様化が進んでおり、職 業観・勤労観の育成がこれまでにも増して必要となってきている。これからの学校教育においては、生徒・学生達に明確な職業観・勤労観や職業に関する知識や 技能を身につけさせるとともに、自己の個性を理解し、主体的に進路を選択する能力や態度をはぐくむための教育の充実に努めることが重要であり、また、社会 においても生涯にわたり職業にかかわる学習機会を充実していくことが重要である』と指摘されています。

これを受けて、全国専修学校各種学校総連合会は『残念ながら、現在は個人の意識として働くことに対する動機が希薄 で、職業人として社会の構成員となることの意識に欠けるきらいが感じられる。自分がつきたいと夢想する職業を模索するばかりで、現実から逃避し、結果的に 社会貢献にいたらない。これは、学校教育の中で、職業に対する意識やキャリアをいかに積んでいくかについて深く考える機会がなかったことが一因ではなかろ うか。初等中等教育段階においても、大学を頂点とする学術研究と教養教育の段階においても、残念ながら社会生活を送る上でいかに職業が大切であるかといっ た職業意識の涵養には心を砕いてはこなかった。

乖離しつつある社会の期待と個人の意識を、職業を介してしっかりと 結びつけていくためにも職業教育、キャリア教育の重要性は増してきている。各教育段階別に職業教育、キャリア教育の体系化が図られ、発達段階に応じた職業 意識涵養のための教育プログラムが用意されることを社会は求めているのである』と指摘しました。

そして、昨年から毎年7月11日を『職業教育の日』と制定し、あわせて『職業教育推進月間』も制定しました。

子供から大人になるときの躾、学生から社会人になるときの躾、そして社会人としてより良く生きるための躾は成長の要であると考えます。

職業教育は規律が基本にあり、規律は躾がその基本にあると考え、浦山学園の教育プログラムをさらに充実させることが喫緊の課題のひとつと考えています。
2004年2月15日 |

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