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学校法人 浦山学園

15日早朝にアメリカ・カナダ東部で発生した大規模停電をテレビで見て驚きました。
一瞬、9月11日の同時多発テロやイラク報復を思いましたが、ニューヨーク市長やブッシュ大統領は即座にテレビで記者会見を行い、国民にパニックにならな いように事態の説明を行いました。30度を超える暑さの中で、30時間以上も続いた最悪の広域災害に市民が冷静に行動したことは、素晴らしいリーダーシッ プのもとに対応した大きな成果でした。市民同士がお互いに助け合い、地下鉄に取り残された人達を救出したり、数キロもあるブルックリン大橋を想像を絶する 大行列を組みながら車と人が大きな問題も起こさずゆっくりと歩いている姿、食料などを買い求める人々が整然と並び自分の順番を待っているなど、テレビから 流れてくるいろんな画面を見ながらいろんな教訓を感じました。

少し前まではニューヨーク市(NYC)を旅する時には、治安が悪いから一人で歩い たり、地下鉄に乗らないようにとほとんどの日本人は言っていました。私も20年ほど前にNYCにいましたが、当時はまだ落書きだらけの地下鉄やゴミだらけ の街角、ポリスカーが鳴らすサイレンと共に重・軽犯罪が多発していました。しかし、今回の大規模停電では、小規模の犯罪や略奪は報告されているようです が、1977年の大停電や数年前のカリフォルニアの停電の時のような大規模な暴動や略奪は発生しませんでした。



データによると、80年代と90年代のNYCの重犯罪は半減し、殺人は三分の一になり、危険なNYCからアメリカ内でも安全なNYCへと見事に変貌を遂げています。


NYCは何をしたのでしょうか?


過日、鍵山秀三郎氏(イエローハット・自動車用品販売の創設者、現在相談役)とお目にかかった時のお話に、『割れた窓理論―ブロークンウインドウ理論』がありました。
『NYCの地下鉄が危険だと認識されていたころ、地下鉄公団総裁のデビット・ガン氏はハーバード大学のジェームス・ウイルソン氏とジョージ・ケリング氏が提唱した「割れた窓」という理論に基づき打開策を出しました。「割れた窓理論」とは、建物の窓一枚だけでも割られたまま放置しておくと、管理不届きとして他の窓も割られ建物全体が荒廃し、ひいては地域社会が崩壊していくというものでした。

その打開策とは、地下鉄のホームや車両に落書きを書かれても書かれても掃除をし続けること、迷惑行為のような些細な事を厳しく取り締まることでした。掃除をするそして些細な事をいちいち注意するなんてことが、落書きや犯罪はなくならないだろうと思われていました。結果、落書きは減り、犯罪もほとんどない交通機関のひとつとなっていったのです』。鍵山相談役は終始笑顔で、NYCが見事に変貌したのは、小さなことの積み重ねの結果、であったことを『割れた窓理論』を引用して説明されました。

そして、数千億円を取り扱う企業の創設者である鍵山相談役は次のような考え方を話されました。『私 は、凡事徹底を大事にしています。当たり前のことを当たり前でない位に継続して行うということです。いいと思える小さなことの積み重ねこそが大きな事をや ろうとするよりも強く大きな力になります。よくないと思える原因はひとつづつ取り除く努力を継続する。事業においても利益は大事ですが、周りにある大事な 要素を「思うこと」を最も大事にしています。私は、創業以来「掃除」を通して自分自身の精神修養をしています。

「掃除」をすると、心が磨かれる・謙虚な人になれる・気づく人になれる・感動の心が育まれる・感謝の心が芽生えるのです。
人の心も、家庭の家風も会社の社風も学校の校風もより良く変わることが大事です。』

『トイレ掃除』を実践されている鍵山相談役のお話を聞くにつれ、日頃から「学ぶ環境つくり・職場環境つくりは重要」と言いながら、他人任せにしている私自身の「言動不一致」と「反省」を感じざるを得ませんでした。
学生達の夏休みもそろそろ終わり、もうすぐ後期が始まります。
学力低下・自己中心型・片づけが出来ない・コミニケーションが出来ない。言い換えると、『自分を律することが困難になってきている=規律の乱れ』として、青少年だけではなく我々大人の問題となってきています。

「掃除」をすると、心が磨かれる・謙虚な人になれる・気づく人になれる・感動の心が育まれる・感謝の心が芽生える。

これを実践するところから『割れた窓』を直しはじめたいと思います。


以 上

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2003年8月21日 |

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