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学校法人 浦山学園

『守』『破』『離』-『しゅ』『は』『り』



入学式は学校側と新入生とのコミュニケーションを双方向にとる初日であるが、これまでは校長・学長の式辞をはじめとして学校側の一方的な進行であることに私自身あまり疑問を持っていなかった。むしろ、厳粛に一方的に進行することが当然のことと思っていた。

富山情報ビジネス専門学校(旧校名は富山経済専門学校)の14年度入学式が4月13日に挙行された。校長である私は『皆さん入学おめでとうございます』と 例年通りに式辞を言い始めた。その直後であった。新入生全員(全員と思えるほど)から元気な声で『ありがとうございます』の言葉が返ってきた。壇上での私 は一瞬感激のあまりに次の言葉を失うほどであった。そして式は次第に従い進行された。来賓祝辞の『入学おめでとうございます』にも新入生は『ありがとうご ざいます』と元気に応えた。来賓の紹介時にはコミュニケーションの原点のようなものを感じた。来賓お一人お一人の『会釈』や『おめでとうございます』の簡 単な動作にもお一人お一人違いがある。はっきりと『会釈』される来賓には新入生達もはっきり『会釈』をした。大きく『おめでとうございます』と言われた来 賓には新入生達も大きく『ありがとうございます』と応えた。

来賓の方々からも新入生達の式場での姿勢に賛辞を頂いた。

入学式での『おめでとうございます』『ありがとうございます』は、昨年入学した中国からの留学生達から教わった。何十回と無く式辞を言ってきた私にとって も、来賓として祝辞を頂いた町長さんにとっても初めての経験であり、日本の学校でこれから一生懸命に学ぼうとする留学生たちの自然(感謝)の姿勢であった のだろうが、これから巣立つ留学生達には、中国の『規矩・きく』がしっかりと根ざしていることを改めて感じた。

『規矩』とは、コンパスとものさしの意味から手本とか規則、即ちマナーやルールを意味する。

今、ゆとり教育論争で物議をかもしている我が国、日本ではあるが、企業や社会が求める人材には、この当たり前のマナーやルールを備えていることが基本となる。

茶道の創始者、千利休の精神はこの『規矩作法』が原点とされており、その作法から『守・破・離、しゅ・は・り』という言葉が生まれたと書いてある。
指導者から何かを学びはじめてから、ひとり立ちしていくまでに進む段階を教えた言葉だそうだ。

以前、剣道を少しやっていた時に『守・破・離』の考え方を聞いた記憶があるが正直なところその時はよく解らなかった。インターネットに次のように書いてあった。



『守』
-どの道にも型がある。基本に忠実に繰り返し繰り返し型の稽古をする。組織に例えると、理念、目的を理解し、仕事の基本・やり方を徹底して守る。即ちマナーやルールである。

『破』

-型は昔から受け継がれているが、実は少しずつ工夫が加わり次第に良いものだけが残されてきている。

組織に例えると、常に目標を明確にし自分自身で創意工夫をしながらチャレンジをする。

『離』

-受け継いだものを守り、現代にあわなくなったものを捨てる。そこに新しく、独自の世界(オリジナリティ)を創り出していく。組織に例えると、自分自身の創意工夫をシステムに置き換え、理念の具体化を目指し発展させていく。


千利休は『稽古とは一より習い十を知り、十よりかえるもとのその一』と歌った。学園の14年度基本方針は『君子は本を務む。本立てば道生ずる』の考え方を基本とした。言い返れば、変革とは初心に戻る、足元を見直すと言う観点で一致している。



今まであまり意識していなかったが、入学式での『おめでとうございます』『ありがとうございます』は、浦山学園の『守』であることを留学生や新入生達から 教わった。この『守』『破』『離』の段階を踏みながら、学生達と共に学園理念の具体化に向けチャレンジする14年度が始まった。


以 上
2002年5月 6日 |

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