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学校法人 浦山学園

九月末にウラジオストクを訪問。ウラジオストク極東国立大学東洋学部の日本語コースで学ぶ学生が話して くれた。『大学に入学して始めて日本語を勉強しました。卒業までに2万語の漢字をマスターしないと卒業出来ないんですよ。たとえば「歩く」はあるくとも言 うけど「ほ」とも「ぶ」とも言うでしょう。日本語って難しいでしょう!』と日本人と変らない口調で話しながら「歩く」を上手に書いて見せてくれた。
ウラジオの郊外にある中流家庭に週末訪問した。5時間ほどの間だったが、家族と共に中学生の男の子が常に笑顔で写真アルバムを見せてくれたり、バラライカ を引いてくれたりしてくれた。そして私達が退屈しないようにロシア語・日本語・英語などを少しづつではあるけれど話しかけてくれました。
我々を精一杯「もてなす」家族の気持ちが十分に伝わる貴重で楽しい5時間でした。
10月中旬に中国を訪問。中国で通訳を引き受けてくれたのは大連国際学院を卒業したばかりの22歳の女性だった。大変高度な日本語を使いながら流暢に通訳 をしてくれた。『日本には一度も行った事はありませんが大連国際学院で4年間日本語を勉強しました。高校までは日本語を勉強したことはありません。大連は 大変日本からの投資が多く、将来は日本に行って企業経営を勉強してみたいんです』。

ウラジオストクでも、中国でも、日本語学習も含め積極的な学習意欲には感心しました。しかも、僅か4~5年で外国語を読む・書く・話すが出来ることが清清しい驚きとして印象深く残っています。
日本人は中学から英語を勉強し始めるが、果たしてウラジオストクや中国などと比べて学習効果のレベルを考えると、日本の語学教育や教育政策のあり方に問題を感ぜざるをえませんでした。
また、両国において我々を歓待してくれた姿勢は、日本の高度成長と共に失われつつある『もてなしの心』の大事さを思い起こさせてくれました。

昨年日本と中国の大学生の実力比べがおこなわれました。日本と中国の大学生に、小学校と中学校の問題を中心とする25点満点テストをおこない、満点をとっ た学生の割合を比較したものだそうです。中国の大学に対し日本の国立大学は約10:3、 日本の私立大学は約10:1と相当に格差が大きいことが伝えられ ました(東洋経済新報社、2000年3月刊より)
一芸入試などの少数科目入試。90年のセンター入試からは国立大学でも少数科目入試が許され、追い討ちをかけた大学の教養部解体が基礎教育を施す歯止めをさらに希薄化させたかもしれません。
さらに、2002年から小・中学校の新指導要領が始まり、日本は全世界で最も授業時間数が少ない教育政策となります。
『ゆとりの教育』という教育政策が21世紀の日本の将来に不安を抱かせないように、教育機関としての役割をより明確化し、実践していきたいと感じています。

国際機関の調査では現在外国で暮らしている人の数は一億五千万人。その数は1965年から倍増しており、今後も経済のグローバル化や世界の労働需給のアンバランス等によって国境を越えて生活する人の数は増えるだろうと予想されています。
21世紀にはこのような国境を越えた人の流れをいかに秩序あるものにするかが教育の重要な課題の一つになると考えられます。

世界の多くの人々は日本という国が、西欧の圧倒的な文明と、自分の国の歴史・伝統を上手に共存・融合させたことで過去大変な成功を収めたという理解を持っています。
日本の教育機関も日本企業も外国の人々を受け入れる時は他国に優位である点を明確に答えたり、体験してもらえたりできるように今のうちから体制作りが必要であるといわれています。

浦山学園の富山福祉短期大学・富山経済専門学校では来年度から留学生を受け入れる準備をしています。これは、日本人の教育プログラムにも大きな影響を与えるものと思います。
そして、国境を越えた学生達や教職員間において異質なものへの寛容度が増し、それぞれに独自の文明や伝統・歴史を認識しながら社会に貢献出来るようになれる学園作りに精進したいと思っています。

以 上  
2000年11月27日 |

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