●今、日本の大学等は大学審議会を中心に21世紀の大学像と今後の改革方策について懸命に議論がされている。
当然のことながら、各大学や専門学校等においては18歳人口の減少や高等教育機関の役割の更なる充実を図るべく、大変革の局面にそれぞれ挑戦をしている。
●大学審議会では21世紀初頭の社会状況をどのように展望するかは、一概に表現することは難しいとしながら、
(1)一層流動的で複雑化した不透明な時代を迎える。
(2)地球規模での協調・共生と一方では国際競争力の強化が求められる。
(3)少子高齢化の進行、生産年齢人口の大幅な減少と共に、産業構造や雇用形態に大きな変化が起こる。
(4)職業人の再学習や国民の間に生涯学習需要が増大する。
(5)豊かな未来を拓く原動力である学術研究の進歩が加速し、学際化、総合化の必要性が生じる。
と予想している。
以上から、日本社会の今後は当面厳しい財政状況が続くと予想されるため、高等教育機関の『知』の再構築が求められるとコメントをしている。
●アメリカの高等教育機関では、『知』の再構築はどのように行われているか?
9月初旬に8大学を視察してきたので、簡単に報告します。
1、視察校
プロフェッショナルスクール
[注]アメリカの大学院は研究者を養成する研究型大学院と専門職を養成するプロフェッショナルスクール=専門職業教育(経営、管理者・法律・医学・政策立案者ケースワーカー等)の二種類が存在する
(1)バブソン大学(私立・起業家育成プログラム・ボストンシ)
(2)ハーバード大学(私立・ビジネススクール・ボストン)
(3)カリフォルニア工科大学(私立・インダストリアルリレーョンセンター・ロスアンゼルス)
(4)ペパーダイン大学(私立・ビジネススクール・ロスアンゼルス近郊)
社会人プログラム
(5)コロラド大学ボルダ-校(州立・遠隔教育による社会人教育・ボルダー,コロラド)
バーチャル大学
(6)ナショナル・テクノロジカル大学(私立・バーチャルユニバーシティ・デンバー)
コミュニティカレッジ
(7)パサデナ・シティ・カレッジ(コミュニティカレッジ・ロスアンゼルス近郊)
(8)ピアス・シティ・カレッジ(コミュニティカレッジ・ロスアンゼルス近郊)
2、アメリカの高等教育の動向
●アメリカの18歳人口も1975年以降に大幅に減少したが、在籍学生数は緩やかに増えつづけた。特に1990年以降、在籍学生数は減少すると予測されていたが、これもその予測に反して増えつづけた。(出所:American council on Education)
●教育の向上、そして女子学生やマイノリティ学生(特にアジア)、社会人学生の増加が主たる理由。その背景は、産業構造の変化や余暇時間の増大・教育水準 の上昇・権利意識の普及・生涯学習観の浸透などの社会的条件は当然だが、 注目すべき点は、新学生層を大学側が社会のニーズに対応しながら、積極的に受け入れたこと、大学自体を変革させたことが18歳人口の減少の局面で実施した 『知』の再構築だった。
高等教育制度の多様性・特定の集団をターゲットにした学生募集活動・入学者選考の改善・学力にみあったカリキュラムや施設設備・教授法などの学習環境の整備が多くの大学で試みられた。
●アメリカの大学の分類は各研究者により多少の較差はあるが、大別すると(1)研究大学・(2)総合大学・(3)コミュニティカレッジに分類される。
つまり、アメリカの大学は益々序列化されてきており、その大学間較差は極めて大きいため、 大学間の役割機能の分化も明確に見られる。
機能は一般的に下記のように分けられる:
(1)研究大学 -- 少数のよく知られたエリート大学で、主要な研究志向型大学と著名な私立カレッジにより構成される。
(2)総合大学 -- 多数の教養カレッジを中心とするが、中クラスの研究志向型大学も含まれる。
(3)コミュニティカレッジ -- 公立の2年制カレッジが中心で地域社会への貢献を主要とするが、今日は世界各国から学生が入学する。
●視察校だけを見ても、アメリカの高等教育が多種多様で、しかも大学の序列的な段階構造を反映しているのは、アメリカの高等教育機関が市場原理で形成されてきたため、互いに競合しながら発展してきたことと考えられる。
●どの分野であろうと、社会のニーズに敏感で、それを反映する学習環境や研究の改善を体現し、社会が求める人材を送り出すことが、その大学の価値を評価した特定の位置を決定する。
しかしながら、その大学の特定の位置は固定されたものではなく、その大学の社会のニーズへの取り組み方に応じて常に変動する。アメリカにはそれほどの厳しいチェックシステムが存在している。
●アメリカの教員も厳しい状況の中で、社会のニーズとして問題を突きつけられているが、最も基本的で重要な課題の一つは、教育と研究という教員の主要な役割のバランスをどのようにすればよいかという問題であるとのこと。
長期的な視野から見ると、高等教育の大衆化の過程で、大学は大学教員中心の研究重視機関から学生中心の教育重視機関へと、その基本的性格を変えつつある。(江原 武一・現代アメリカの大学より)
●学生達の私語、居眠りなどの問題は言語道断。大学が厳しいチェックを常に受けている対象の一つに学生達がいるが、 学生達も常に厳しいチェックをうけている。
下記はその一例(ほとんどが同様だが、下記はバブソン大学の例)。
小テスト 小テスト 期末テスト 宿題 授業中の積極性 外部での実習
10% 15% 20% 15% 25% 15%
●MISSION(使命)
今回訪問したどの大学の担当者も全員積極的に我々を迎えてくれた。ほとんどの大学において、それぞれのMISSIONを力強く力説しながら、各教育プロ グラムについてのプレゼンテーションが実施された。そのプレゼンテーションはほとんどがインターネットとパワーポイントで実施された。
スポーツ界でのMVPは Most Valuable Player という使いかたが一般的だが、 MVPにはもう一つの使い方があると教わった。 仕事は常に M= Mission 使命を持ち、V= Value 仕事の価値を追求し、そして P= Pride 仕事に誇りをもてるようにする。
訪問したアメリカの高等教育機関のそれぞれの担当者は MVPを常に意識しながら明日の大学に更なる挑戦をしているかのように感じられた。
当学園においても、今回の視察で学んだことを教職員一丸となり、『知』 の再構築を目差しながら、学園理念の体現に努力します。
以 上
当然のことながら、各大学や専門学校等においては18歳人口の減少や高等教育機関の役割の更なる充実を図るべく、大変革の局面にそれぞれ挑戦をしている。
●大学審議会では21世紀初頭の社会状況をどのように展望するかは、一概に表現することは難しいとしながら、
(1)一層流動的で複雑化した不透明な時代を迎える。
(2)地球規模での協調・共生と一方では国際競争力の強化が求められる。
(3)少子高齢化の進行、生産年齢人口の大幅な減少と共に、産業構造や雇用形態に大きな変化が起こる。
(4)職業人の再学習や国民の間に生涯学習需要が増大する。
(5)豊かな未来を拓く原動力である学術研究の進歩が加速し、学際化、総合化の必要性が生じる。
と予想している。
以上から、日本社会の今後は当面厳しい財政状況が続くと予想されるため、高等教育機関の『知』の再構築が求められるとコメントをしている。
●アメリカの高等教育機関では、『知』の再構築はどのように行われているか?
9月初旬に8大学を視察してきたので、簡単に報告します。
1、視察校
プロフェッショナルスクール
[注]アメリカの大学院は研究者を養成する研究型大学院と専門職を養成するプロフェッショナルスクール=専門職業教育(経営、管理者・法律・医学・政策立案者ケースワーカー等)の二種類が存在する
(1)バブソン大学(私立・起業家育成プログラム・ボストンシ)
(2)ハーバード大学(私立・ビジネススクール・ボストン)
(3)カリフォルニア工科大学(私立・インダストリアルリレーョンセンター・ロスアンゼルス)
(4)ペパーダイン大学(私立・ビジネススクール・ロスアンゼルス近郊)
社会人プログラム
(5)コロラド大学ボルダ-校(州立・遠隔教育による社会人教育・ボルダー,コロラド)
バーチャル大学
(6)ナショナル・テクノロジカル大学(私立・バーチャルユニバーシティ・デンバー)
コミュニティカレッジ
(7)パサデナ・シティ・カレッジ(コミュニティカレッジ・ロスアンゼルス近郊)
(8)ピアス・シティ・カレッジ(コミュニティカレッジ・ロスアンゼルス近郊)
2、アメリカの高等教育の動向
●アメリカの18歳人口も1975年以降に大幅に減少したが、在籍学生数は緩やかに増えつづけた。特に1990年以降、在籍学生数は減少すると予測されていたが、これもその予測に反して増えつづけた。(出所:American council on Education)
●教育の向上、そして女子学生やマイノリティ学生(特にアジア)、社会人学生の増加が主たる理由。その背景は、産業構造の変化や余暇時間の増大・教育水準 の上昇・権利意識の普及・生涯学習観の浸透などの社会的条件は当然だが、 注目すべき点は、新学生層を大学側が社会のニーズに対応しながら、積極的に受け入れたこと、大学自体を変革させたことが18歳人口の減少の局面で実施した 『知』の再構築だった。
高等教育制度の多様性・特定の集団をターゲットにした学生募集活動・入学者選考の改善・学力にみあったカリキュラムや施設設備・教授法などの学習環境の整備が多くの大学で試みられた。
●アメリカの大学の分類は各研究者により多少の較差はあるが、大別すると(1)研究大学・(2)総合大学・(3)コミュニティカレッジに分類される。
つまり、アメリカの大学は益々序列化されてきており、その大学間較差は極めて大きいため、 大学間の役割機能の分化も明確に見られる。
機能は一般的に下記のように分けられる:
(1)研究大学 -- 少数のよく知られたエリート大学で、主要な研究志向型大学と著名な私立カレッジにより構成される。
(2)総合大学 -- 多数の教養カレッジを中心とするが、中クラスの研究志向型大学も含まれる。
(3)コミュニティカレッジ -- 公立の2年制カレッジが中心で地域社会への貢献を主要とするが、今日は世界各国から学生が入学する。
●視察校だけを見ても、アメリカの高等教育が多種多様で、しかも大学の序列的な段階構造を反映しているのは、アメリカの高等教育機関が市場原理で形成されてきたため、互いに競合しながら発展してきたことと考えられる。
●どの分野であろうと、社会のニーズに敏感で、それを反映する学習環境や研究の改善を体現し、社会が求める人材を送り出すことが、その大学の価値を評価した特定の位置を決定する。
しかしながら、その大学の特定の位置は固定されたものではなく、その大学の社会のニーズへの取り組み方に応じて常に変動する。アメリカにはそれほどの厳しいチェックシステムが存在している。
●アメリカの教員も厳しい状況の中で、社会のニーズとして問題を突きつけられているが、最も基本的で重要な課題の一つは、教育と研究という教員の主要な役割のバランスをどのようにすればよいかという問題であるとのこと。
長期的な視野から見ると、高等教育の大衆化の過程で、大学は大学教員中心の研究重視機関から学生中心の教育重視機関へと、その基本的性格を変えつつある。(江原 武一・現代アメリカの大学より)
●学生達の私語、居眠りなどの問題は言語道断。大学が厳しいチェックを常に受けている対象の一つに学生達がいるが、 学生達も常に厳しいチェックをうけている。
下記はその一例(ほとんどが同様だが、下記はバブソン大学の例)。
小テスト 小テスト 期末テスト 宿題 授業中の積極性 外部での実習
10% 15% 20% 15% 25% 15%
●MISSION(使命)
今回訪問したどの大学の担当者も全員積極的に我々を迎えてくれた。ほとんどの大学において、それぞれのMISSIONを力強く力説しながら、各教育プロ グラムについてのプレゼンテーションが実施された。そのプレゼンテーションはほとんどがインターネットとパワーポイントで実施された。
スポーツ界でのMVPは Most Valuable Player という使いかたが一般的だが、 MVPにはもう一つの使い方があると教わった。 仕事は常に M= Mission 使命を持ち、V= Value 仕事の価値を追求し、そして P= Pride 仕事に誇りをもてるようにする。
訪問したアメリカの高等教育機関のそれぞれの担当者は MVPを常に意識しながら明日の大学に更なる挑戦をしているかのように感じられた。
当学園においても、今回の視察で学んだことを教職員一丸となり、『知』 の再構築を目差しながら、学園理念の体現に努力します。
以 上