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学校法人 浦山学園

 横浜の38年ぶりの優勝は『リーダーシップ』と言う観点で最近特に興味をもって見ていました。『ノムさん・阪神の新監督に』の記事を見た時は、「大変な決断だっただろうなぁー」「ヤクルトの選手の気持ちはどうかなぁー」とかいろいろと思いました。
 元々それほど好きではない監督ですが、野村新監督の決意を徐々にマスコミ等で見聞していくうちに、野村監督に新鮮な興味を覚えたのでその一端をご披露します。
 野村監督の言い分のほんの一部だけなのでご本人には恐縮ですが、概ね次のような観点でした。

●『野球人生も一般社会と同様で、野球の技法の上手下手以上にその選手の人生観が基本となる。

●我々の時代は親から「立派に成長することが幸せになること」と教えられてきたが、今は「楽しいことや楽なことが幸せである」というような風潮になっている。

●今の日本社会で駄目な会社で(間接的に阪神を示す)しかも63歳(野村監督の年)というと誠に暗いイメージがあるが、全てがそうではないという証にしたい。

●「勝つためには手段を選ばず(数億円プレーヤーを次から次と金力でトレードする長嶋式野球を間接的にさしている?のだろうが巨人ファンとしては少し気に なるところ)」式の考え方が蔓延してしまっているが、これは今の日本社会においても「儲ける為には手段を選ばず」式と同様であり、今一度自分達の役割をよ く考える必要がある。

●63歳の男に新監督の話をもっていかねば他に人材がいない程、人材が払底している。人材育成の急務を感じる』等など野村監督のはなしはどれもご尤もであり、それほど好きではない野村監督に新鮮な興味をもちました。

 太字部分は多少の差はあるにしてもどれをとっても、今我々が抱えている『基本的な課題』ではないだろうか?
つい3~4年前までは、日本式経営や日本経済は世界のなかで不動のものであった。幾度にわたるオイルショックも円高もその他の危機も乗り越え、アメリカの国土の25分の1しかないこの島国が戦後50余年で焦土と化した国から世界2番目の経済大国となった。
 『何が起きても日本は、自分はまだ大丈夫』という思いが私に全く無いという事を私は100%否定出来ないと思う。しかしながら『あのロシアが、あの銀行 が、あんな大企業が崩壊するとは』という状況を目の当たりにするにつけ、就職難などを始めとして『このしわ寄せはどこまでくるのか?』と言う不安があるこ とも否めない。
 まだまだ遠くのほうで誰か騒いでいることが、瞬く間に我が身の出来事になってしまう。本当に目の前まで津波が来てからでは逃げ切れるものではない。
 自分の生きる道は自分自身で探さざるを得ない。金融関係で始まった本格的な無国籍化の波がいよいよ製造業に押し寄せ、それが一人一人の生活にも現実に影 響を及ぼし始めている今、内を向いたら未来は開けない。今こそ外の様子をよく見て、自らの強み(コアコンピタンス)を認識し強化する為にも『自分を磨いて いく』しかない。

 『自分を磨いていく』その一つの舞台は学校である。学生も学校もこれまでとは違う社会に対応出来るように向上していかねばならない。不易流行、即ち哲学 的に永久に変動しないことを基盤に常に新しくなっていくものを探求する力をつけていかないとこれからの時代は誰も助けてくれない。
 学生にとって自らの強み(コアコンピタンス)を如何に構築させていくか? 学園で『挑戦』している大きな課題である。各校でその認識の度合いは違うとは思うが、その挑戦を図1のチャートを基に考えていきたい。
 まず第1に何故(1)の付加価値を検討する必要があるのか? 前述した『自らの強み(コアコンピテンス)』を如何に構築するかが自ずからの回答の一つとなるでしょう。
(1)付加価値
イ.何に向っての付加価値の構築か学生達は目標や夢(ぼんやりしたもので良い)を明確にする。
ロ.教職員は不易流行的に自分の基本的な研究の部分と学生達の目標を如何にサポート出来るかの研究及びプログラムをカウセリングを通じて明確にする。
ここまではある程度出来ている場合が多いが、これをそれぞれオープンにするところが教育機関ではなかなか出来ない。折角『自らの強み』を認識また強化するため付加価値の構築に挑戦してもそれがオープンにされないと(2)リスクの部分が多い挑戦になってしまうケースがある。

(2)リスク
イ.自分(達)が実践してきた結果、その価値が何であるかが第三者に明確に理解されていないことが最大のリスクである。
ロ.どうしなかったらリスクになるか? 何をしたらリスクになるか? それらを明確にしたものが付加価値となる。
即ち付加価値とリスクは表裏一体の関係にある。一つの例として考えると(1)付加価値を構築する為の研究活動のケースを想定してみたい。その研究の 5W1Hが明確でないまま進んでいくと、その研究は完全に個人業務完結型のものとなりかねない。研究には当然予算が関係するし組織内での他の業務の関係も 出てくる。いままでのような余裕のある時代から今日直面している変革の時代に移行した状況においては時間効率は大きな課題の一つである。そこでその研究が リスクを背負いながらでも付加価値として構築されるには相互理解が大きなキーワードとなる。これからの学校教育の場においてはこの相互理解の構築が急務と されている。

(3)相互理解
イ.非同期性の社会においては個別の価値観が中心となるので、同一の物指しだけでは理解が困難となった。人の精神性や刷新性を公正に訴えるためにもコミュニケーションが基本となる。
ロ.戦略的行動や計画的行動を第三者に開示して初めてコミュニケーションが深まる。
これらを考えると人材育成や教育の根源はコミュニケーションラインの構築が最重要課題である。浦山学園においても相互理解のためのコミュニケーションラインは常に対 学生・対 保護者・対 高校・対 企業・対 教職員間と考えている。

(4)へッジ
イ.リスク分散のためにも担保的要素をもつことが必要となる。
前述した相互理解のためのコミュニケーションラインを形に残していく必要性がでてくる。今日の社会においてはインターネットなどのIT (Information Technology)はそのへッジをより解り易く実行出来る技術としていまや絶対的な手法となった。即ち(3)を実行していく時にそれぞれをデータベー スに落とし込んでいくことでリスク分散が可能となる。

 多様な学生の就学が可能となった以上、学生へのマス教育から個別教育へと移行せざるを得なくなった。知識の切り売りを教員から一方的に押し込む形から学 生の夢や目標をある程度学校側が把握した上での教育(共育)がより求められている。『学生と学校とのコミュニケーション』が我々教職員の出発点である。

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1999年9月30日 |

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